GLP-1が働きやすくなる運動と睡眠の話

前回の記事では、
ストレスと上手に付き合うことが
GLP-1ホルモンを働かせるうえで
とても大切だというお話をしました。

次に整えたいのは、体を
「動かすこと」と「休ませること」

今回は
GLP-1が働きやすくなるための
運動と睡眠について
日常生活の中で取り入れやすい形で
整理していきます。

キツい運動や完璧な生活習慣を
目指す必要はありません。

体に負担をかけずに整える方法を
一緒に見ていきましょう。

キツい運動は必要なし!

運動は、
「キツければキツいほど痩せそう」
というイメージがありますが
実際はそうとも限りません。

サイクリングを行った実験では
中強度と高強度のどちらでも
GLP-1レベルが上昇する
ことがわかったのです。*1

スポーツの中で
「高強度」というと

  • バスケットボール
  • サッカー
  • テニス

などの本格的な運動を指します。

「中強度」には

  • ウォーキング
  • ダンス
  • 軽いサイクリング

などの運動が含まれます。

ポイントは
「会話しながらできる」
程度の運動であること。

目安としては
30分程度のウォーキングを
週に2〜3回。

「少し体を動かしたな」
と感じる程度の運動から
始めてみましょう。


睡眠不足は食欲増加のもと

睡眠と体重の関係については
多くの研究があります。

睡眠が不足すると

  • 食欲を抑えるホルモン
    “レプチン”が減る
  • 食欲を高めるホルモン
    “グレリン”が増える
  • 空腹感が増える
  • 食欲が増える

そして最も興味深いのは、
特に炭水化物含有量の多い
高カロリー食品に対する食欲の増加
が顕著だったということです。*2

寝不足の日に
甘いものやジャンクフード
が欲しくなるのは
意志が弱いからではありません。

体の仕組みとして起こる
自然な反応だったのです。


理想的な睡眠のチェックリスト

あなたは
しっかりと睡眠を取れていますか?

目安として、
いくつかの研究を参考に
シンプルなチェックリストを
用意しました。*3 *4


□ 平均睡眠時間が 7〜9時間
□ 平日・休日の差が 1時間以内


□ 布団に入って 30分以内に眠れる
□ 夜中の覚醒が 1回以内
□ 朝「眠れた感覚」がある

規則性
□ 起床時刻がほぼ一定
□ 夜更かし・寝だめを繰り返していない

日中のコンディション
□ 日中の強い眠気が少ない
□ 集中力・感情の安定を保てている
□ カフェインで無理に覚醒させていない

いかがでしたか?

7個以上当てはまれば
睡眠は概ね良好
だといえるでしょう。

睡眠の質を改善するために今日からできること

もし、
睡眠の質を改善したいと思ったら
以下を参考にしてみてください。

完璧でなくても大丈夫。

小さな工夫でも
体にとっては
安心材料になります。

オレンジ色の照明でリラックスモード

私たちの体は
光の色によっても
「今が昼か夜か」
を判断しています。

白色の光は脳を覚醒させやすく
自然と活動モードに。

一方
オレンジ色などの暖色系の光は
夕方の自然光に近く、
体に「そろそろ休む時間だよ」
というサインを送りやすくなります。

睡眠の2~3時間前から
照明を切り替えるだけでも
眠りに向かう準備が
整いやすくなるのです。

寝室は「寝るためだけの場所」

脳は
場所と行動をセットで
記憶します。

ベッドの上で
スマホを見たり
考えごとをする習慣はNG。

「ベッド=活動する場所」
と学習してしまい
眠りに入りにくくなります。

寝室をできるだけ
「眠るための場所」
に近づけましょう。

布団に入ったときに
自然とリラックスしやすくなります。

布団の中で考えごとをしないために

布団に入ると
考えごとが止まらなくなるのは、
体は休もうとしているのに
脳がまだ活動モードのままだから。

無理に考えないようにするよりも
寝る前に一度
頭の中の情報を外に出してあげる
ことが効果的です。

今日の出来事や明日の予定を
紙に書き出すだけでOK。

脳は「もう考えなくていい」
と判断しやすくなり、
入眠がスムーズになります。

ナイトルーティンがお休みの合図

毎晩ほぼ同じ流れで
寝る準備をすることは、
体にとって
分かりやすい合図。

  • 歯を磨く
  • 軽くストレッチをする
  • 白湯を飲む……etc.

内容は何でも構いません。

順番が決まっていることで
体は「もうすぐ眠る時間だ」
と感じ取ります。

ステキな眠りは朝日から

良い睡眠は、夜だけでなく
朝の過ごし方から始まります。

朝に光を浴びることで
体内時計がリセットされ
「一日のスタート」だと
体に伝わるのです。

このリズムが整うと、
就寝時間に自然と
眠気を感じやすくなります。

起きたらカーテンを開けて
自然光を取り入れるだけでも十分。

余裕があるときだけ
ベランダに出てみてください。

朝の光は
夜の眠りを支える
大切なスイッチです。


生活の土台を整えてから食事の工夫へ

  • ストレス
  • 運動
  • 睡眠

これらは
GLP-1が働きやすくなるための
土台となる条件です。

ここが整うと、食事の工夫も
無理なく続けやすくなるでしょう。

減量といえば、
切っても切り離せないのが
食事の話。

次の記事では
今までお伝えした土台の上で
食事をどう工夫すればいいのか
についてお話ししていきます。

参考
1. Martins C, Stensvold D, Finlayson G, Holst J, Wisloff U, Kulseng B, Morgan L, King NA. Effect of moderate- and high-intensity acute exercise on appetite in obese individuals. Med Sci Sports Exerc. 2015 Jan;47(1):40-8. doi: 10.1249/MSS.0000000000000372. PMID: 24824772.

2.Spiegel K, Tasali E, Penev P, Van Cauter E. Brief communication: Sleep curtailment in healthy young men is associated with decreased leptin levels, elevated ghrelin levels, and increased hunger and appetite. Ann Intern Med. 2004 Dec 7;141(11):846-50. doi: 10.7326/0003-4819-141-11-200412070-00008. PMID: 15583226.

3.https://www.sleepfoundation.org/how-sleep-works/how-much-sleep-do-we-really-need

4.https://jcsm.aasm.org/doi/10.5664/jcsm.4758