ダイエットするなら知っておきたい“痩せ”の司令塔の話
体重を減らせば
すべてがうまくいく……。
私たちはいつの間にか
そう信じるようになってきました。
でももし
体重をコントロールしようとするほど
体はかえって痩せにくくなっているとしたら?
今回は
そのヒントとなる
GLP-1ホルモンという体の仕組みから
減量の見方を少し変えてみたいと思います。
意志が弱いのが原因と思っていませんか?
痩せたいのに、うまくいかない。
頑張っているのに、続かない。
もしあなたが
こんな経験を繰り返しているなら、
それはあなたの意志や努力が
足りないからではありません。
実は、多くの人が
「整える場所」を間違えたまま
痩せようとしているだけなのです。
体重を減らそうとしてはいけない理由
これまでのダイエットにおいて
多くの人がまず注目してきたのは
「体重」という目に見える数字
だったのではないでしょうか?
体重を減らすために
食事量を減らす。
運動量を増やす。
それ自体が悪いわけではありません。
けれど、ここで一つ大切な視点があります。
体重は
原因ではなく結果だ
ということ。
体の中で起きている
さまざまな反応の積み重ねが
最終的に「体重」という数字として
表れているだけなのです。
つまり、
体重だけを直接どうにかしようとすると
「本当の原因には届かないことが多い」
ということでもあります。
知っておきたい“痩せホルモン”のこと
「整えるべき場所」を考えるうえで
とても重要なホルモンがあります。
それが
GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)
読み方はジーエルピーワン
です。
その名前を「医療ダイエット」の話で
聞いたことがある人もいるかもしれませんね。
本来、GLP-1は
私たちの体にもともと備わっているホルモン。
主に腸で作られ
食事をしたときに分泌されます。
その役割はとてもシンプルで
体にこう伝えることです。
「もう十分に食べたよ」
「これ以上急いでエネルギーを取り込まなくて大丈夫」
GLP-1は
- 食欲
- 血糖値
- 消化活動
- 満足感(満腹感)
などに関わりながら
体のバランスを保つための
司令塔のような役割を担っています。
食欲を「落ち着かせる」力
GLP-1の働きは
「食欲を抑える」だけではありません。
たとえば
- 血糖値が急激に上がりすぎないように調整する
- 消化のスピードをゆるやかにする
- 食後の満足感を感じやすくする
こうした働きを通して
体を安定した状態に保とうとします。
ここで大事なのは、GLP-1は
「無理に抑え込む」ホルモンではない
ということ。
我慢や根性で食欲をねじ伏せるのではなく
体が自然に「落ち着いた状態」になるよう
サポートする存在なのです。
「ガマン→ドカ食い」が起こる理由
では、GLP-1の働きが弱くなったり
うまく分泌されにくい状態になると
何が起きるのでしょうか。
たとえば
- 食べた後、すぐまた何か食べたくなる
- 満足感を感じにくく、間食が増える
- 我慢と暴食を繰り返しやすくなる
- 体重が落ちにくく、戻りやすくなる
こうした状態は
「意志が弱いから」
「自制心が足りないから」
起こると考えられがちです。
でも実は
体の仕組みがうまく働いていないだけ
という可能性もあります。
これまで
「気持ちの問題」
「性格の問題」
だと思っていたことが、
生理的な反応だったとしたら──
少し見方が変わってきませんか?
GLP-1と腸内環境の深いつながり
GLP-1について考えるうえで
もう一つ大切なポイントがあります。
それは
GLP-1は腸で作られるホルモン
だということ。
腸内環境が乱れていると、
GLP-1の分泌や働きにも
影響が出る可能性があると考えられています。
腸内環境の話はとても奥が深く
ここですべてを語ることはできません。
ただ
「食事量だけを見ていればいい」
「体重の数字だけを追えばいい」
というほど体は単純ではない
と知っておいて損はありません。
「体重」より先に司令塔を整える
ここまで見てきたように、体重は
体の中で起きている反応の結果です。
GLP-1をはじめ
体の中のホルモンが
きちんと働きやすい状態を保つ。
すると体は無理をしなくても
自然とバランスを取り戻そうとします。
逆に、
体の仕組みを無視したまま
体重だけを動かそうとすると
苦しくなるのです。
「どれだけ食べたか」
「どれだけ体重が減ったか」の前に
体の司令塔が、ちゃんと働ける状態かどうか?
そこに目を向けることが
遠回りに見えて
実はとても大切なのです。
次の記事では
「どうすれば、体のバランスが整いやすくなるのか」
その考え方や方向性について
より具体的に見ていきたいと思います。


